バルク転送 USBオーディオ その後2010/04/02 18:44

 バルク転送USBオーディオ基板をI2Sでフルデジタルアンプに繋ぎたいのだが一筋縄ではいかない。

 フルデジタルアンプはI2Sフォーマット(デフォルト)で受けるのだが、バルク転送USBオーディオ基板は24bit 右詰めフォーマットなので、フルデジタルアンプ側で受けるフォーマットを変えなければならない。フルデジタルアンプにはMSP430というマイコンがあって、このマイコンを書き換えることでフォーマットを変えることが出来るらしい。

 オーディオでマイコンの勉強までしなくてはならなくなってしまった。調べながらの部品調達やソフトウェアの変更なので慎重に進めている。

フルデジタルアンプ マイコン書換2010/04/09 21:54

 ようやくフルデジタルアンプの受信フォーマットを変更することができた。バルク転送USBオーディオ基板は24bit 右詰めフォーマットで出力するため、フルデジタルアンプはデフォルトのままでは受け付けることが出来なかった。デフォルトではI2Sでの受信なので左詰めなのだ。

 フルデジタルアンプはMSP430F2012というマイコンに様々な設定が書き込まれている。この仕様は公開されているため書き換えが可能なのだ。キット販売元のエレキジャックや同じように右詰めフォーマットに変更している方のwebを参考にした。

http://www.eleki-jack.com/audio2/cat192/cat232/
http://penguin-village.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300607878-1

 写真のようにez430を改造してDIPのICに書き込めるようにした。ターゲットボードに元々ついていた面実装のICを外してICソケットに接続。ソケットにICを差し込む。
 フリーソフトのCode Composer Essentials を使い受け付けるフォーマットを24bit右詰へと変更する。要はレジスタへの書き込みをすれば良いのだ。(何も書き込まない場合はデフォルトでI2Sになっている。)

#define TAS5086_ID_SDIN 0X04

// デジタル受信信号の設定
wait_some();
TAS5086_write1(TAS5086_ID_SDIN, 0x02);

 これらの文を書き加えるだけで動くようになる。ちなみにMSP430は何種類かあって、部品調達の時に間違えてF2013を調達してしまった。これに気がつくまで数日費やしてしまい無駄な時間とお金を使った。F2012でないとまともに動きません。

 肝心の音は同軸のデジタルケーブルと劇的に変わることはない。若干ではあるが密度が高いかなと感じている。しかしその差はわずかだ。あえて同軸ケーブルで接続してケーブルの音を楽しむ余地を残すのも良いかもしれない。

バルク転送USBオーディオ基板とフルデジタルアンプの接続2010/04/10 22:01

 写真は24bit右詰フォーマットによる接続である。

 バルク転送USBオーディオ基板の6ピンコネクタのうち5ピンを使い

1.BCLK
2.LRCK
3.SDATA
4.SCLK
6.GND

 これらをフルデジタルアンプ基板の

1.GND
2.SDIN
3.SCLK
4.MCLK
5.LRCLK

へ接続する。

 ここで紛らわしいのはSCLKだ。バルク転送USBオーディオ基板にはMCLKがない。フルデジタルアンプにはBCLKがない。SCLKはシリアルクロックの略とシステムクロックの略の意味があるので他のピンをよく見てからでないと何を意味しているかわからないのだ。
 バルク転送USBオーディオ基板のSCLKはシステムクロック(=マスタークロック)を意味していて、フルデジタルアンプのSCLKはシリアルクロック(=ビットクロック)を表しているようだ。

 従ってバルク転送USBオーディオ基板~フルデジタルアンプへの接続は
1~3
2~5
3~2
4~4
6~1
というようになる。

音の違いなし2010/04/14 18:48

 バルク転送USBオーディオ基板とフルデジタルアンプの基板をケースに収めた。
 ケースはなくても良いのだが、スイッチのオンオフ時にリード線と基板の接続部分にストレスがかかっていたので接続を固定したかった。

 この2つの基板の組み合わせでは音の違いがなくなってしまった。これらの組み合わせを使う前はRamdisk、リッピングのソフトウェア、リッピングのドライブ等では少なからず聞こえる音に違いがあった。現在は違いがわからないのだ。プレイヤーをRamdiskに置こうがデータをUSBメモリに置こうが違いを感じられない。ドライブを変えてもドライブの電源をバッテリーにしても変わりがない。
 全く、「今までやってみたことが何なのだ!」と思うくらいである。

 ということで、音源の部分についてはこれ以上求めるものがないのかな?と感じている最近である。
 アンプについてもフルデジタルアンプの繊細な音質に心を奪われてからはアナログアンプを使う気がなくなってしまった。
 フルデジタルアンプとバッテリーの組み合わせは大音量には向かないが、繊細さを求めるのにはとても良いと思う。

 タイトルにもなっているタイムドメインのスピーカーは全くスピーカーを置いてあることを感じさせない。低域はさすがに出ていないが、サブウーハーを組み合わせれば補完することができる。調整次第ではサブウーハーも消える。

 整理するとかなりシンプルなものになった。ただのXpマシンと写真のUSB入力アンプ。それにフルレンジ+サブウーハーである。これだけのものがあれば自分の好きな音楽へトリップ出来るのだ。

 これ以降は拙ブログをあまり更新することもないと思うが、一つのオーディオの形として参考にしていただけたらと思う。

PCオーディオfan2 付録2010/04/24 17:54

 今回の付録は何枚か持っているCDのデータがあったのでとてもありがたい内容だった。
 CDとの比較では瞬時にしてわかる高音質である。16bit/44.1kHzでは表せない世界を付録でつけてしまうのだからこの出版社は本当に偉い!
 CDとの比較ができない場合も付録の中には、同じ曲をオリジナルマスター(24bit/176.4kHz)と24bit/88.2kHzで比較できるのでとても面白い。
 オリジナルマスターというのを初めて聴いたがこれは良い。24bit/88.2kHzも相当良いのだが、さらに空気感が濃くなってシンバルの響きが繊細に聞こえる。

 拙宅のUSBアンプはSPDIFではなく24bit右詰フォーマットでバルク転送USBオーディオ基板とフルデジタルアンプをつないでいる。
 フルデジタルアンプのSPDIFを受けるICは96kHzまでなのだが、それ以降のICは192kHz対応なのだ。
 従ってそのICを使わないので24bit/192kHzまで再生できる。

 今回の付録でようやく100kHz超えの高音質データを試すことができた。この音を聴くことができるのはPCオーディオならではと思う。